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強度行動障がいを抱えた方たちへの支援の紹介

強度行動障害とは

 強度行動障害とは、自分を傷つける『自傷』や他の人やものを傷つけるなどの『他害』『睡眠の乱れ』『異食』『もの壊し』などの周囲の人の暮らしに影響を及ぼす行動を著しく高い頻度で起こしてしまうため、特別に配慮された支援が必要な状態を言います。

 また、強度行動障害とは生まれつきの障害ではなく、そのような状態になってしまったことを指します。
 中度~最重度の知的に障害のある方、自閉症の特性が強い方がコミュニケーションや環境のミスマッチからそのような状態になってしまいやすいと言われています。(決して生まれつき、他害をするという特性を持っている訳ではありません)

 また、障害福祉サービスでは、『行動関連項目』が10点以上の方が受給者証に強度行動障害と記載されます。

なぜ今、ひなたが力をいれているか

 強度行動障害を抱えた方たちは、ご本人自身が生活のしづらさや不安を抱えているだけではなく、ご家族と一緒に生活をしている場合、ご家族がその対応に疲弊してしまっていることもとても多いです。
 しかしながら、最もサービスを必要としている方たちなのにも関わらず『他害がある』『大声で叫ぶ』『飛び出しがある』等の理由から、障害サービス事業所から利用をお断りされてしまうケースも多々あります。
 彼らは、決して誰かを傷つけようと思ったり悪意があって、他害をしてしまったり不適応行動を続けている訳ではありません。不安やどうすべきかわからなく混乱している状態から強度行動障害と言われる行動が続いてしまっていることがほとんどです。不適応行動は、いわば彼らのSOSなのだと思っています。
 ご本人の特性をしっかりと見つめ直すこと、ご本人に合った環境・支援を提供することで少しづつ落ち着いて過ごすことが出来、本来ご本人たちが持っている力をしっかりと発揮できるようになる方も多いです。
 強度行動障害の状態になってしまった原因として、私たち支援者がご本人の特性に合っていない、誤った支援方法、環境を提供していることも多々あることと思います。
 なかなか簡単に解決することではありませんが、ご本人もご家族も苦しい状況から脱却し、ご本人が安心できそしてご本人が望む生活を送ることが出来るよう、私たちも日々悩み、学びながらもお手伝いしていきたいと強く考えています!

① ご本人の特性を整理する

 強度行動障害の状態になってしまった方たちの行動は、他害、物壊し、不眠、自傷行為等大きな行動が多くその行動ばかりが目立ってしまいがちです。しかしながら、意外とその行動を拾い出してみると一日の中で不適応行動が絶えずある訳ではありません(残念ながら、起きている間中、という方もいらっしゃらなくはないですが…)。
 一見遠回りのように思えるかもしれませんが、『他害がどうやったらおさまるか』という直接的な対応方法を考えるよりもまずは先にチームでその方の特性を今一度整理しなおしてみる、共有する、ということが大事なことだと考えます。
 まずはチーム全体で特性を共有してみましょう!意外と、関わるスタッフによって、見えている姿が異なっていることが多いです。
ひなたでは、2種類の特性シートを活用しています。
←こちらは、おがるさんの特性シートです。
普段、こちらのシートを活用させてもらっています。
大事なことは、シートの書式や枠組みをどうするかということよりも何より職員同士が共通の言語、共通の認識を持っているか、ということだと思います。
←こちらは国立のぞみの園の研修で使用している特性確認シートです。

② 実際の支援の紹介

 ここでは、実際に強度行動障害の状態になってしまった方の支援のアイディアをご紹介していきます。
 
 ひなたでは、グループホームや他法人での利用が難しくなってしまった方たちの集中支援を行っております。
←こちらは一般の住宅をご本人の特性に合わせて構造化した造りにしたものです。
 どの場所で何をおこなうか『着替え』『食事をする場所』『休憩する場所』『お手伝いを行う場所』等、活動場所を明確化することでご本人が何をして良いかわからない→不安やわからないことから不適応行動が出てしまうことを防ぎます。
←特に水場に不適応行動が出てしまう方なので、台所や手洗い場は徹底して視界から隠し、『整容』『入浴』等、水廻りの活動を行う時間、行わない時間を明確化しています。
←場面が変わるとテンションが高くなる方です。
外出先から玄関に入るとテンションが高くなったり、物を投げてしまいがちなので動線上に置く場所を決めています。
←入浴時に興奮してしまいやすい方に対して、今行うべき活動に着目してもらうことと、順番を日によって変えることで不適応行動も固定化してしまうことを防いでいます。

③ 一つひとつの活動、行き先に対しての手順書を作成

 強度行動障害のある方、行動援護対象者の方に対しては、統一した支援を行うことがとても大事なことになってきます。そのために、1つ1つの活動に対して支援者がどう動くべきか、何を準備すべきかが一目瞭然となった『手順書』の準備が必要となってきます。ちなみに行動援護サービスに関しては、全利用者の方、全行先に対して、手順書が必要になってきます(結構この作業が大変…)。

←こういった各活動毎に、手順書を用意することで、どの職員も統一した支援を行うことが出来ます。また、出来れば職員同士シュミレーション(ロールプレイ)を行うことで、足りない箇所を補ったり、具体的なイメージを持つことで職員自身の事前準備を行うことが出来ます。
←外出時の支援手順書です。
事前の準備、支援者の動き、ご本人の動き等活動ごとに整理することが大事です。
また、実際のご本人の動きも支援後に確認し、適宜修正していくこともとても大事になってきます。

④ チームで支援を考える

 対応が困難な方に対して、うまくいかない支援者は孤独になってしまいがちです。ひなたでは利用者の方の支援内容に問題がない範囲で『一番新人のスタッフ』『現状一番うまくいっていないスタッフ』に合わせて支援方法を考えています。
 『よか』の種類が少ない方も多く、自由な時間を過ごすことが難しい、まったりと過ごすことが難しい、ということから不適応行動が出てしまう方も多いため、この時は更にチームを細分化して『運動よか』『お手伝いよか』『まったりよか』について再度アセスメント、アイディアを集めました。
 写真は、スタッフ同士でロールプレイを行い職員が行うべき動きを統一できるように確認している場面です。
 また一度に長い時間『よか』を過ごすことが出来ないという方も少なくはありませんが、
『1分の余暇』 × 30種類 とバリエーションを増やすことで、最終的にはそれなりの時間を過ごすことが出来ています。

⑤ ご本人に合った支援を提供し、般化していく

 強度行動障害の状態になってしまった方たちを受け入れるのは難しくても、ある程度支援の枠組みを考え『このような支援を行えば落ち着いて過ごすことが出来ます』ということを伝え、引継ぎを行えば新規に受け入れてくれる事業所さんもあるかもしれません☆
 ひなたでは、次の受け入れ先が確保されていれば(どうしても既存の待機者の方が多数名いらっしゃるため、次の受け入れ先を確保されている方に限ります)状態が安定していない方の支援に入ったり、支援の枠組みを一緒に考えていく取り組みを積極的に行っております。

⑥ 機関支援にご協力をお願いする

どうしても自分たち法人内では解決できないこともたくさんあります。
その場合、不必要なプライドを持つことなく、また常に新しい情報・学びを取り入れるためにも積極的に『機関支援』の相談をお願いしています。
具体的には、札幌には『おがる』さんというとても頼りになる機関支援事業所があります。
そして、なんと無料でご相談させていただいたり、利用させていただくことが出来るんです!
職員のための研修もありますし、実際に事業所にお越しいただいて、利用者の方への支援方法・環境設定などについてアドバイスを受けることが出来ます。なかなか自分たちだけでは出てこない支援のアイディアをご提案いただいたり、今一度職員同士しっかりと話し合う良い機会にもなります☆

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